ビットコイン市場は2兆ドル規模に!
仮想通貨の代表格であるビットコインの市場規模が、2兆ドル(約290兆円:1ドル145円換算)に迫る勢いで拡大しています。これは、世界中の投資家から大きな注目を集めていることを示しています。
マイナーの収益はわずか3.6%
しかし、この活況の裏側で、ビットコインの「マイナー」と呼ばれる人々は、厳しい現実と向き合っています。マイナーは、複雑な計算処理を行うことでビットコインの取引を承認し、その報酬として新たに発行されるビットコインを受け取っています。しかし、最新のデータによると、マイナーがこれまでに得た収益は、市場規模2兆ドルに対してわずか3.6%、金額にして約700億ドル(約10兆1500億円)に過ぎないことが明らかになりました。
収益減の背景には「半減期」
マイナーの収益が伸び悩んでいる背景には、2024年第2四半期に発生した「半減期」の影響が大きく関係しています。半減期とは、マイナーへの報酬が半分に減少するイベントのこと。これにより、マイナーが1ビットコインを獲得するために必要なコストが大幅に増加してしまいました。例えば、大手マイニング企業のRiot Platforms社は、2024年第3四半期における1ビットコインあたりの採掘コストが3万5376ドル(約513万円)だったと報告しています。これは、前年同期のマイナス2万2741ドル(約330万円)から大幅な増加となっており、ビットコイン価格の上昇やマイニング能力の向上にもかかわらず、マイナーの利益率を圧迫しています。
取引手数料は増加傾向
一方、2024年前半のビットコインの取引手数料は、前年比で増加傾向にあります。マイナーは、取引手数料からも収益を得ており、2024年前半には1万2970BTC(約8億6300万ドル:約1256億円:2024年7月23日時点)の取引手数料収入がありました。これは、2023年の総手数料収入の約55%に相当します。
今後のマイニングはどうなる?
ビットコインの価格上昇や取引手数料の増加は、マイナーにとってプラス材料です。しかし、半減期による採掘コストの増加は、依然として大きな課題となっています。今後のマイニング業界は、効率的な採掘方法の開発や再生可能エネルギーの利用など、収益性を向上させるための取り組みが求められています。
