EU、凍結ロシア資産の利益をウクライナ支援へ – ユーロ基軸通貨への影響は?

EU、凍結ロシア資産の利益をウクライナ支援へ - ユーロ基軸通貨への影響は? 市場動向
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EU、凍結ロシア資産の利益をウクライナ支援に活用

2024年6月24日、EUはロシアに対する14回目の制裁パッケージを採択しました。この中には、エネルギー、金融、貿易を含むロシア経済の様々なセクターを対象とした、資産凍結 measures(対策)などが含まれています。

EUはさらに、凍結したロシア国有資産から発生した利益をウクライナ支援に充てることを決定しました。2024年5月21日時点で、2024年2月15日以降にこれらの資産から得られた純利益は、ウクライナへの支援に充てられる予定です。この決定により、金利にもよりますが、年間約25億~30億ユーロ(約3,875億~4,650億円)がウクライナに配分される見込みです。

ユーロ基軸通貨への影響に対する懸念

ロシアの凍結資産を押収すれば、ユーロの不安定化や基軸通貨としての地位の失墜など、壊滅的な影響が出かねないとの懸念があります。ユーロクリアなどの欧州当局者は、このような行動は世界の金融システムへの信頼を失墜させ、深刻な報復措置を引き起こす可能性があると警告しています。

ユーロが下落しているイメージ

法的・経済的側面からの検討

ロシアの中央銀行資産の corpus(本体)を押収することの合法性と実現可能性については、依然として議論が続いています。押収は国際法に合致すると主張する人もいる一方で、欧州中央銀行を含む一部からは、ユーロの基軸通貨としての役割への潜在的な影響や、ロシア国内の欧州企業に対する報復のリスクに対する懸念が表明されています。

EUの現時点でのアプローチ

EUは資産を完全に押収するのではなく、凍結資産から発生する収益をウクライナ支援に活用することを選択しました。これは、資産そのものの押収という、より議論を呼ぶ問題を回避しつつ、ウクライナに多大な財政支援を提供するものとして、妥協案とみなされています。

ユーロの将来は?

今回の決定は、国際金融の力関係や、地政学的緊張が高まる中での各国の通貨に対する影響について、重要な疑問を投げかけています。EUのウクライナ支援への取り組みは賞賛に値するものの、国際金融システムへの影響を慎重に検討し、長期的な安定を確保するための対策を講じる必要があるでしょう。

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ウクライナを支援する人々のイメージ

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