DeFi rug pullの巧妙化:1日で31件、損失額は15億円超え
仮想通貨の世界、特に分散型金融(DeFi)の世界で、投資家を欺いて資金を持ち逃げする「rug pull(ラグプル)」と呼ばれる詐欺が横行しています。最近のrug pullは、手口が巧妙化かつ複雑化しており、深刻な脅威となっています。
急増するrug pull:1日31件、被害総額は15億円
2024年11月、rug pullの発生件数は1日で31件に達し、月間累計損失額は1,500万ドル(約23億円)に上りました。これは、DeFi市場に対する脅威の深刻化を示しています。

巧妙化する手口:ハニーポットトークン
最も横行しているrug pullの一つに、「ハニーポットトークン」詐欺があります。これは、何も知らない投資家を引き付けるために作成されたトークンで、高度な操作技術(複数のウォレットを使用して資金の分配を偽装するなど)により、見分けるのが困難です。
巧妙なマーケティング戦略:本物そっくりのスタートアップ
詐欺師たちは、投資家を引き付けるために、巧妙なマーケティング戦略を採用しています。これらの詐欺はしばしば、正当なスタートアップ企業を模倣し、説得力のあるストーリーやプロモーションキャンペーンを用いて、信頼性を構築します。例えば、ミームコインのPeanut(PNUT)は、その価値が急騰したことで、詐欺師たちの標的となり、トークンの偽バージョンを作成し、10万3,000ドル(約1,500万円)以上を盗まれました。
高度なツールの使用:フロントランニングボット
詐欺師たちは、取引を監視して操作の機会を特定するフロントランニングボットなどの高度なツールを使用しています。これらのボットは、詐欺師が資金を引き出す前に、価格を人為的につり上げて、追加の投資家を引き付けることができます。
増加する複雑さと件数:DeFi市場の脅威
これらの詐欺の多くは、通常10万ドル(約1,500万円)未満という比較的小額ですが、その件数の多さと複雑さの増大は、DeFi市場の健全性に対する重大な脅威となっています。
セキュリティへの懸念:透明性の向上が不可欠に
rug pullの増加は、仮想通貨市場におけるセキュリティと透明性に関する重大な疑問を投げかけています。投資家を保護し、DeFiプロジェクトへの信頼を維持するためには、セキュリティ対策の強化と透明性の向上がますます重要になっています。