クラーケン豪州法人に5億円超の制裁金
暗号資産取引所大手クラーケンのオーストラリア法人が、金融サービス法違反でオーストラリア証券投資委員会(ASIC)から500万豪ドル(約5億1000万円)の制裁金を科されました。これは、ASICが近年強化している暗号資産規制の一環とみられています。
問題となった「証拠金取引」とは?
ASICによると、クラーケン豪州法人は、個人投資家向けに「証拠金取引」を提供していました。これは、投資家が証拠金を預け入れることで、預け入れた金額以上の取引を行うことができるというものです。しかし、ASICは、クラーケン豪州法人がこの商品を提供するにあたり、必要な法的書類を整備していなかったと判断しました。具体的には、「Target Market Determination(TMD)」(対象となる顧客層を明確にする書類)を提出していなかったことが問題視されています。
クラーケン側は反論
クラーケン側は、この制裁金に対して異議を申し立てる構えを見せています。同社は、「誠実に業務を行っていた」と主張し、制裁金からの免除を求める可能性を示唆しています。今後の展開が注目されます。
Australia fines Kraken operator M for regulatory breaches
An Australian court levied a million fine against Kraken’s Australian arm after finding it offered a crypto margin pr...
豪州の暗号資産規制
オーストラリアでは近年、暗号資産に対する規制が強化されています。2023年10月には、ASICが個人投資家による暗号資産デリバティブ取引を禁止しました。今回のクラーケンへの制裁金は、ASICが暗号資産業界に対して、より厳しい姿勢で臨んでいることを示すものと言えるでしょう。
今後の影響
今回の制裁金は、クラーケンだけでなく、他の暗号資産取引所にも影響を与える可能性があります。ASICは、今回の件を機に、暗号資産取引所に対する監視をさらに強化するとみられています。暗号資産取引所は、今後、より一層の法令遵守が求められることになるでしょう。