次世代金融サービス、ステーブルコイン銀行とは?
近年、仮想通貨の中でも価格変動の少ない「ステーブルコイン」が注目を集めています。そんな中、ステーブルコインを基軸とした新しい金融サービス「ステーブルコイン銀行」が登場し始めています。
従来の銀行サービスと同様の預金口座や個人資産管理などを提供するステーブルコイン銀行ですが、大きな違いは、法定通貨ではなくステーブルコインでユーザーの資産を管理することです。これにより、従来の銀行システムよりも効率的で、国境を越えた取引を容易にする可能性を秘めているとされています。
シンガポールのKAST、大型資金調達
シンガポールを拠点とするスタートアップ企業KASTは、ステーブルコインを活用したネオバンク(新しい銀行)を開発しており、この度、最初の資金調達ラウンドで約1,000万ドル(約15億円)規模の資金調達を完了する見込みであることがわかりました。

今回の資金調達は、Sequoia Capitalからスピンオフした投資会社であるHongShanとPeak XVが主導しています。KASTは、2024年9月に正式に資金調達を発表する予定です。
KASTの特徴と将来性
KASTは、銀行免許を取得せずに、フィンテック企業やカード発行会社とのグローバルネットワークを活用することで、ユーザーに米ドル建てステーブルコインへのアクセスを提供し、従来の銀行と同様のサービスを提供することを目指しています。具体的には、以下のようなサービスを展開する予定です。
- ステーブルコインの預金口座
- 個人資産管理
- 国際送金
KASTは、東南アジアなどの新興国市場をターゲットとしており、伝統的な銀行システムの効率性が低い地域で、より便利で低コストな金融サービスを提供することを目指しています。今回の資金調達は、KASTの事業拡大を加速させ、ステーブルコイン銀行としての地位を確立するための重要な一歩となるでしょう。
ステーブルコイン銀行の動向に注目
KASTへの投資は、ベンチャーキャピタルが、特に伝統的な銀行システムの効率が低い地域において、ステーブルコインベースの金融サービスという新たな市場に高い関心を寄せていることを示しています。今後、KASTのようなステーブルコイン銀行が世界中で登場し、金融業界に大きな変化をもたらす可能性があります。