トランプ氏、BRICS諸国に強硬姿勢
次期アメリカ大統領ドナルド・トランプ氏は、BRICS諸国（ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ）に対し、国際貿易で米ドルを使用しなければ100%の関税を課すと発言し、世界経済に衝撃が走っています。
アメリカ経済への影響は？
もしこの関税が実際に発動されれば、アメリカは8,400億ドル（約126兆円）以上の輸入品と3,500億ドル（約53兆円）近くの輸出品に影響が出ると予想されています。これは、アメリカの全輸入の27%、全輸出の17%に相当し、消費者の負担増加は避けられないでしょう。専門家の中には、一律10～20%の関税よりも経済への悪影響が大きいと指摘する声もあります。
世界経済の混乱は必至か
この関税政策は、半導体などの重要分野のサプライチェーン（供給網）を混乱させる可能性も孕んでいます。半導体産業の一大拠点であるマレーシアは、世界的な半導体供給に影響が出ると懸念を表明しています。
報復合戦の懸念も
専門家は、BRICS諸国がこれらの関税に対して報復措置を取る可能性を指摘しており、貿易摩擦の激化やアメリカ企業への打撃が懸念されます。そうなれば、アメリカ国内の物価上昇や貿易関係の悪化につながる可能性も否定できません。
米ドル離れが加速？
トランプ氏の強硬な姿勢は、皮肉にもBRICS諸国が米ドルへの依存度を下げる動きを加速させる可能性があります。独自の決済システム「BRICSペイ」構想などが現実になれば、世界経済におけるドルの優位性が揺らぐ可能性も秘めているのです。
BRICSの結束力問われる
今回の関税問題は、BRICSの結束力をも試しています。一部の国がアメリカの要求に屈する可能性もありますが、逆に結束を強め、独自の通貨や決済システムの導入を急ぐ可能性もあるでしょう。
専門家の見方は？
多くの専門家は、このような関税の賦課は、世界貿易、金融システム、そして地政学的バランスにまで影響を及ぼす可能性があると見ています。そして、実際に100%の関税が実行される可能性は低いと予測しています。関税賦課には、物流面や政治的なハードルが高く、現実的ではないからです。専門家の間では、今回の発言は、実際的な解決策というよりは、むしろパフォーマンスや政治的な駆け引きのためと捉えられています。
