トランプ氏の再選でビットコイン市場に激震
2024年11月5日のドナルド・トランプ氏の米大統領選挙での勝利宣言後、ビットコイン市場は活況を呈しています。特に、ビットコインETF(上場投資信託)への資金流入が顕著で、その額は100億ドル(約1.5兆円)近くに達しています。

仮想通貨に追い風、ビットコインETFへの資金流入が加速
トランプ氏は選挙戦において、米国を「地球上の仮想通貨の首都」にすることを公約に掲げ、仮想通貨に対して友好的な姿勢を示していました。さらに、証券取引委員会(SEC)の新委員長には、同じく仮想通貨に好意的なポール・アトキンス氏を指名しており、これらの動きが投資家の間で仮想通貨に対する楽観的な見方を後押しし、ビットコインETFへの資金流入を加速させていると考えられます。

ブラックロックのビットコインETFが人気
数あるビットコインETFの中でも、特に人気を集めているのが、資産運用大手ブラックロックが運用する「iShares Bitcoin Trust(ティッカーシンボル:IBIT)」です。11月5日以降、IBITには約56億ドル(約8400億円)もの資金が流入しています。その他、フィデリティの「Wise Origin Bitcoin Trust (FBTC) 」、アーク・インベストの「ARK 21Shares Bitcoin ETF (ARKB) 」、コインシェアーズの「Valkyrie Bitcoin Fund (BRRR) 」、フランクリン・テンプルトンの「Bitcoin ETF (EZBC) 」といったETFにも、それぞれ多額の資金が流入しています。
ビットコイン価格が過去最高値を更新
トランプ氏の仮想通貨支持の姿勢と、規制当局の人事に伴う仮想通貨規制の緩和への期待感から、ビットコイン価格は12月5日に過去最高値となる10万ドル(約1500万円)を突破しました。その後、一時的に調整が入ったものの、過去30日間で見ると、ビットコイン価格は28.5%以上も上昇しています。

機関投資家の関心も高く、イーサリアムETFにも資金流入
企業によるビットコイン投資も進んでいます。世界最大のビットコイン保有企業であるマイクロストラテジーは、11月25日から12月1日にかけて、さらに1万5400BTCを買い増ししました。機関投資家の関心の高まりも、ビットコイン価格を押し上げる要因となっています。また、ビットコインだけでなく、イーサリアムのETFにも注目が集まっています。トランプ氏の当選後、9つのイーサリアムスポットETFには、合計で約20億ドル(約3000億円)の資金が流入しており、投資家の間で仮想通貨投資の分散化が進んでいることが伺えます。

世界的な仮想通貨政策の変化
トランプ氏は、国家備蓄としてビットコインを保有することや、ホワイトハウスに仮想通貨政策の専門部署を 설립
することを表明しており、これらの政策が実現すれば、仮想通貨市場はさらに活況を帯びることが予想されます。また、米国だけでなく、中国、ブラジル、ロシアといった国々も、仮想通貨に対してより友好的な政策を打ち出しており、世界的に仮想通貨に対する見方が変わりつつあります。
トランプ氏の仮想通貨支持の姿勢、規制緩和への期待、そして機関投資家の関心の高まりという3つの要因が重なり、ビットコインETFへの資金流入と、仮想通貨市場全体の価格上昇を後押ししています。今後の仮想通貨市場の動向に、ますます目が離せません。