水を使わないデータセンター冷却システム
マイクロソフトは、水の使用量を大幅に削減する革新的なデータセンター冷却システムを発表しました。このシステムは、従来の冷却システムとは異なり、水を全く使用しない「ゼロウォーター冷却システム」と呼ばれるものです。
従来型冷却システムの課題
従来のデータセンターでは、サーバーやネットワーク機器などの発熱を抑えるために大量の水を使用していました。しかし、水資源の枯渇が深刻化する中、データセンターにおける水使用量の削減は喫緊の課題となっています。
ゼロウォーター冷却システムの仕組み
マイクロソフトが開発したゼロウォーター冷却システムは、密閉されたループ状のシステム内で冷却水を循環させることで、水の蒸発による損失を完全に無くしています。このシステムでは、サーバーなどから発生した熱は、特殊な冷却液によって吸収され、外部の冷却装置へと輸送されます。その後、冷却された冷却液は再びデータセンター内に戻り、サーバーの冷却に再利用されます。
水使用量の大幅削減と環境負荷の低減
マイクロソフトによると、ゼロウォーター冷却システムを導入することで、従来のデータセンターと比較して年間最大約125,000㎥の水の使用量を削減できるとしています。これは、一般的な家庭の水道使用量の約400世帯分に相当します。また、水の使用量削減は、水資源の保全だけでなく、水処理に伴うエネルギー消費やCO2排出量の削減にも貢献します。
今後の展望
マイクロソフトは、今後、米国アリゾナ州フェニックスとウィスコンシン州マウントプレンザントに建設予定の新データセンターを含む、世界中の新規データセンターにゼロウォーター冷却システムを導入していく予定です。また、2030年までにカーボンネガティブ、ウォーターポジティブ、廃棄物ゼロの達成を目標に掲げており、ゼロウォーター冷却システムはその実現に向けた重要な取り組みの一つとなっています。

Microsoft to double new data center capacity this year - report
Company now has 5GW of capacity at its disposal, according to leaked documents