ビットコイン採掘大手Bitmain、米国の関税と規制の壁に直面

ビットコイン採掘大手Bitmain、米国の関税と規制の壁に直面 業界動向
画像はイメージです
この記事は約2分で読めます。

米中対立の渦中で:ビットコイン採掘大手Bitmainの苦境

仮想通貨(暗号資産)業界を牽引する中国企業Bitmain(ビットメイン)が、米国市場への進出で厳しい現実に直面しています。米中関係の悪化と厳しい規制により、同社の主力製品であるマイニングマシン(採掘機)の輸入が滞り、事業計画に大きな影響が出ています。

TSMCとの提携解消:米国工場での生産計画が頓挫

Bitmainは当初、台湾の半導体製造大手TSMCと提携し、アリゾナ州の工場で最新鋭のマイニングチップを生産する計画でした。しかし、この計画は頓挫しました。背景には、米政府が資金提供する施設で中国企業の製品を製造することへの懸念や、規制当局の承認を得ることの難しさがあったとされています。

TSMC Planned to Make Bitmain Chips in the US
The Chinese company's ASICs were lined up for TSMC's Arizona fab. Then the Taiwanese giant changed its mind

税関による輸入差し止め:Antminer最新モデルが足止め

さらに、米国税関・国境警備局(CBP)は、Bitmainの最新型マイニングマシン「Antminer S21」と「T21」シリーズの輸入を複数の港で差し止めています。この措置は、中国のハイテク製品に対する広範な懸念と、Huawei(ファーウェイ)に対する制裁違反の可能性に関連していると考えられています。Bitmainの競合であるMicroBTやCanaanの製品は差し止められていないことから、米国政府による選択的な取締りとの見方が強まっています。

積み荷の差し止め

トランプ政権の影響:規制緩和は期待できるか?

次期トランプ政権は、仮想通貨に対する規制の枠組みを大きく変更する可能性があります。商品先物取引委員会(CFTC)が仮想通貨の規制においてより重要な役割を担うようになれば、Bitmainのような企業が直面する規制上の圧力は軽減される可能性があります。しかし、これはあくまで期待であり、米国の税関や生産計画に関する現在の問題を直接解決するものではありません。

ビットコイン業界への影響:マイニング事業の遅延とコスト増加

Bitmainのマイニングマシンの輸入差し止めは、ウォール街のビットコインマイナーに混乱を引き起こしており、納期の遅延や高額な保管料の発生に苦しんでいます。この状況は、規制当局と地政学的な緊張によって、Bitmainとその顧客が直面している課題を浮き彫りにしています。

今後の展望:Bitmainは米国の壁を乗り越えられるか?

Bitmainは、米国市場への進出において、予期せぬ困難に直面しています。米中関係の改善が見られない限り、同社が直面する規制上のハードルは高いままとなる可能性があります。今後の動向次第では、世界の仮想通貨業界の勢力図にも影響を与える可能性があります。

トランプ前大統領

タイトルとURLをコピーしました