ビットコイン国家備蓄に元FRB議長が警鐘
元米連邦準備制度理事会(FRB)議長のビル・ダドリー氏が、ビットコインを米国の国家備蓄資産とする構想に強い懸念を表明しました。ダドリー氏は、ビットコイン備蓄は国民の大多数ではなく、特定の利益集団にのみ利益をもたらす可能性が高いと警告しています。

国民への利益は?
ダドリー氏は、ビットコイン備蓄は政府や国民に具体的な利益をもたらすというよりも、ビットコインの価値をつり上げることを目的としていると主張しています。国民への利益がないどころか、経済的なリスクを伴う可能性もあると指摘しています。
経済リスクと実現可能性
ビットコインは収入を生み出さず、価格変動が非常に大きく、投機的な需要によってのみ価格が変動します。そのため、米国政府がビットコインを購入するために借金をすることになれば、債務返済コストが増大する可能性があります。また、FRBがこの目的のために資金を供給した場合、インフレを招き、納税者や経済全体に悪影響を及ぼす可能性も孕んでいます。
出口戦略の欠如
ダドリー氏は、政府が最終的に、ほとんどのアメリカ人にとって収入も実質的な価値もないトークンを抱え込むことになると強調しました。さらに、ビットコイン備蓄の出口戦略がないことも指摘し、負債となる可能性があると述べています。
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規制の必要性を強調
ダドリー氏は、ビットコインを備蓄資産とすることに焦点を当てるのではなく、暗号資産業界に対する強固な規制の枠組みを作ることを提唱しました。消費者を保護し、ステーブルコインを規制し、犯罪活動における暗号資産の使用を防ぐための明確なルールが必要であると強調しています。

他の専門家も懸念
元米財務長官のラリー・サマーズ氏など、他の専門家も、国家備蓄としてのビットコインという考えを「狂気の沙汰」と呼び、石油や金などの他のコモディティの備蓄と比較して不利であると指摘しています。サマーズ氏は、ビットコインを支援することは、実際的なメリットのない「不毛な在庫」を積み上げるようなものだと主張しました。

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