デジタルルーブル、国家予算へ
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、2025年からデジタルルーブルを連邦予算システムに統合することを発表しました。この動きは、ロシア経済の近代化と、西側の制裁に対する耐性を強化する戦略の一環となります。
2025年7月までに全国展開へ
プーチン大統領は、デジタルルーブルを使った決済を来年度から連邦予算システムで開始し、2025年7月1日までに全国展開する計画であることを明らかにしました。すでに12の銀行と一部の顧客が参加する試験運用は成功しており、2024年にはさらに19の銀行とより広範なユーザーベースが参加する予定です。

経済効果と利便性向上
デジタルルーブルは、取引コストの削減、金融システムのセキュリティ向上、国際貿易の促進など、多くの利点をもたらすと期待されています。また、銀行口座を持たない人々や企業への金融サービスのアクセスを向上させる可能性も秘めています。さらに、ルーブルの価値安定にも貢献すると見込まれています。
西側諸国への対抗措置
デジタルルーブル導入の背景には、西側諸国による経済制裁の影響を最小限に抑えたいというロシアの思惑があります。プーチン大統領は、米ドルが政治的圧力の道具として使用されていると批判し、デジタルルーブルが国際的な決済システムにおける米ドルの優位性に挑戦する手段になるとの見方を示しました。専門家の中には、この動きが国際通貨システムにおける新たな勢力均衡を生み出す可能性を指摘する声もあります。世界経済への影響が注目されます。
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堅調な経済指標
プーチン大統領は、外部からの圧力にもかかわらず、ロシア経済は力強い成長を遂げていると強調しました。低い失業率や製造業の力強い成長を挙げ、政府と中央銀行が協力してインフレとの闘いに取り組んでいることを強調しました。デジタルルーブルの導入は、こうした経済の安定成長をさらに後押しするものと期待されています。
