CircleのUSDC、カナダの新規制に完全準拠
デジタル金融企業のCircle Internet Groupは、同社の発行する米ドルペッグのステーブルコイン「USDC」が、カナダ証券管理局(CSA)とオンタリオ州証券委員会(OSC)が定める新たな上場ルールに完全に準拠したことを発表しました。これはカナダ市場における重要な一歩となります。
新たな規制の中身を解説
今回の新ルールは、カナダ国内で取引されるステーブルコインに対して、より高いレベルの透明性と顧客保護を求めるものです。Circleは、規制当局との積極的な連携を通じて、これらの要件を満たすことに成功しました。具体的には、Circleの規制対象となる子会社がCSAの「価値参照型暗号資産」(VRCAs)の要件を遵守することを約束しています。これにより、USDCはカナダの登録済みの暗号資産取引プラットフォームでの提供が可能になります。
USDCの継続的な取引が確保
新ルールの施行に伴い、2024年12月31日以降、準拠していないステーブルコインはカナダの取引所から上場廃止となります。しかし、USDCは今回の承認により、継続的な取引が確保されました。これは、カナダの投資家にとって、信頼性の高いステーブルコインへのアクセスを維持できることを意味します。
世界規模での規制遵守の取り組み
Circleは、カナダだけでなく、世界中の主要な規制当局と協力し、透明性とコンプライアンスの向上に積極的に取り組んでいます。米国では、Circleの規制対象となる事業体は、複数の州および地域のライセンスを保有し、米国銀行秘密法の対象となっています。また、Circleのフランス子会社は、EUの暗号資産市場規制(MiCA)に準拠した初のグローバルステーブルコイン発行会社であり、シンガポール子会社は、シンガポール金融管理局から主要決済機関のライセンスを取得しています。これらの取り組みは、Circleがグローバルなデジタル金融エコシステムの構築に貢献していることを示しています。
※画像はイメージです。
カナダ経済への影響
今回のCircleの規制準拠は、カナダ経済にもプラスの影響を与えると期待されています。具体的には、
- 決済取引の低コスト化
- 消費者保護の強化
- 決済リスクの軽減
- 決済サービスにおける競争の促進
などが挙げられます。USDCの利用拡大は、カナダにおけるデジタル経済の成長を加速させる可能性を秘めています。