カナダの医療制度、その深刻な現実
カナダといえば「無料の医療」というイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、その実態は深刻です。長い待ち時間、プライマリケア(訳注:病気の予防や健康増進も含めた初期診療のこと)の不足、そして子供病院の逼迫など、問題は山積みです。
実際、カナダは国民一人当たり年間8,563ドル(約128万円:1ドル=150円換算)、GDPの13%にあたる年間3,000億ドル(約45兆円)以上を医療に費やしています。しかし、現状は決して良好とは言えません。
お金ですべてが解決するわけではない
ジャスティン・トルドー首相も、単なる資金投入が解決策ではないことを認めています。「重要なのは、ただお金をつぎ込むのではなく、システム自体を改善することだ」と彼は強調しています。
実際、カナダは他の先進国と比べて、医療費に対するリターンが少ないという研究結果も出ています。つまり、問題は支出額ではなく、その使われ方にあると言えるでしょう。
お金と心の密接な関係
お金が万能ではないことは、心の問題にも当てはまります。十分な収入があれば、ある程度のストレスは軽減されるかもしれませんが、根本的な問題は解決しません。
経済的な問題は、ストレス、不安、うつ病などの精神的な問題の悪循環につながることがあります。この悪循環を断ち切るには、お金の問題と心の問題の両方に同時に取り組む必要があるのです。
真の豊かさとは何か?
お金は確かに重要な資源ですが、カナダの医療制度の非効率性や、人々が直面する心理的・経済的ストレスといった複雑な問題に対する万能薬ではありません。これらの問題に対処するには、システムの抜本的な改革、より適切な資源配分、そして経済的および精神的な幸福への包括的なアプローチが必要なのです。

FIRST READING: More money isn't going to fix Canadian health care
Canada is the only country in the world with a government monopoly on health care. It's not working.