急増する仮想通貨ATMとマネーロンダリングのリスク
オーストラリアでは、仮想通貨ATMの数が世界第3位に達するなど、その利用が急増しています。しかし、その一方で、マネーロンダリングやその他の金融犯罪に利用されるケースも増加しており、当局が対策に乗り出しました。
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豪州取引報告・分析センター(AUSTRAC)による取り締まり強化
オーストラリアの金融情報機関であるAUSTRACは、マネーロンダリングやテロ資金供与対策の規制を遵守していない仮想通貨ATM事業者に対する取り締まりを強化しました。具体的には、AUSTRACへの登録、顧客確認(KYC)、取引モニタリング、不審な取引の報告、1万豪ドル以上の現金の入出金に関する報告などが義務付けられています。
仮想通貨ATMが悪用される仕組み
仮想通貨ATMは、現金から仮想通貨へ迅速に換金できるため、マネーロンダリングや詐欺、資金洗浄の温床となっています。仮想通貨は、複数の取引を通じて資金の出所をたどりにくくすることができるため、犯罪者にとって魅力的なツールとなっています。
利用者への注意喚起
AUSTRACは、仮想通貨ATMを利用する際には注意を払い、政府機関、公共料金、罰金発行機関などから仮想通貨ATMでの支払いを求められた場合は、応じないようにと呼びかけています。また、詐欺や不正行為が疑われる場合は、警察や関係機関に報告するよう促しています。
事業者への罰則強化
AUSTRACは、マネーロンダリング対策の義務を遵守しない事業者に対しては、多額の罰金や法的措置を講じると警告しています。今後1年間は、この業界に焦点を当て、コンプライアンス違反のリスクの高い事業者を排除することに力を入れていく方針です。
まとめ
オーストラリアにおける仮想通貨ATM事業者への取り締まり強化は、仮想通貨に伴うリスクを軽減し、マネーロンダリング対策の規制を遵守させることで、金融システムと国民を深刻な組織犯罪から保護するための取り組みの一環です。仮想通貨ATMの利用者は、そのリスクを認識し、十分な注意を払う必要があります。