アジアが仮想通貨開発の中心地に
仮想通貨開発の分野で、アジア、特にインドが中心的な役割を果たすようになっています。かつては北米が開発をリードしていましたが、最新のレポートによると、アジアでの開発活動が世界全体の32％を占め、北米の24％を上回りました。2015年にはアジアの開発シェアはわずか12％だったことを考えると、驚異的な成長と言えるでしょう。
インドの目覚ましい躍進
インドは、仮想通貨開発者数で米国に次ぐ世界第2位に躍り出ました。世界の開発者全体の11.7％を占めており、2023年以降、新規開発者の獲得数で世界をリードしています。経済成長とテクノロジーへの関心の高まりが、優秀な開発者を引きつけている要因と考えられます。
経験豊富な開発者の増加
2024年には、アクティブな仮想通貨開発者の総数は7％減少しましたが、2年以上の実務経験を持つベテラン開発者の数は増加しました。これらの経験豊富な開発者は、現在、コードの変更（コミット）の70％以上に関与しており、開発の質の向上に貢献しています。また、2年以上活躍する定着した開発者の数は、2024年に27％、2022年比で65％増加し、過去最高を記録しました。これは、仮想通貨業界が成熟期を迎えつつあることを示唆しています。
新興市場の成長とプラットフォームの動向
アジアの新興市場は、新規開発者獲得に大きく貢献しており、2024年の新規開発者の41％を占めています。中国、韓国、日本、シンガポールなどの国々も、アジアにおけるブロックチェーンと仮想通貨セクターの成長において重要な役割を果たしています。開発プラットフォームに関しては、イーサリアムが依然として世界中の開発者に選ばれていますが、ソラナが急速に支持を集めており、特に新規開発者に人気です。2024年半ばには、一部の地域でソラナが新規開発者の間で最も人気のあるプラットフォームとなりました。
インド市場の成長予測
インドの仮想通貨市場は、2025年度から2032年度にかけて年平均成長率（CAGR）7.37％で大幅に成長し、2032年度までに5,328億6,000万米ドル（約74兆6,700億円）に達すると予測されています。この成長は、分散型台帳技術（DLT）の採用、デジタル資産の利用増加、技術革新などの要因によって促進されています。インドは、世界で最も急速に成長している経済大国の一つであり、仮想通貨市場の成長は、この国の経済成長をさらに加速させる可能性があります。
まとめ
アジア、特にインドは、世界の仮想通貨エコシステムの成長と発展を牽引しており、従来の北米やヨーロッパ中心の勢力図に変化をもたらしています。インドをはじめとするアジア諸国は、今後、仮想通貨業界においてさらに重要な役割を果たしていくと予想されます。
