UAEの銀行大手、デジタル資産カストディへ出資
アラブ首長国連邦(UAE)の銀行大手エミレーツNBDは、デジタル資産カストディ(保管)企業であるZodia Custodyに出資しました。この動きは、UAEにおけるデジタル資産サービスの拡大を目的としています。
伝統的な金融とデジタル資産の橋渡し役
エミレーツNBDは、2023年に設立されたコーポレートベンチャーファンドである「Innovation Fund」を通じて今回の出資を行いました。このファンドは、同行のデジタル化を推進し、アーリーステージおよびグロースステージの企業への投資を目的としています。Zodia Custodyへの出資は、伝統的な金融サービスと機関投資家向けのデジタル資産の橋渡しをするという、エミレーツNBDの戦略に沿ったものです。
UAE:革新的なデジタル資産ハブを目指す
UAEは、デジタル資産規制に先進的に取り組み、グローバルなイノベーションとテクノロジーのハブとなることを目指しており、今回の投資もその流れに沿ったものと言えるでしょう。Zodia Custodyは、ロンドンに本社を置き、スタンダードチャータード銀行のベンチャー部門が所有しています。機関投資家向けに、安全かつコンプライアンスに準拠したデジタル資産カストディソリューションを提供しており、金融機関からの出資は今回で5回目となります。
UAEの仮想通貨市場は成長中
UAEは、急速に仮想通貨ハブへと進化しており、仮想通貨の普及率は高く、人口の約30%が仮想通貨を所有しています。また、仮想通貨市場は今後4年間で年率8%の成長が見込まれています。エミレーツNBDのリテールバンキングおよびウェルスマネジメント部門のグループヘッドであるMarwan Hadi氏は、デジタル資産の取引に安全で安心できるプラットフォームを構築し、新たなテクノロジーをサポートしていくという同行のコミットメントを強調しました。
ドバイ経済アジェンダD33との整合性
Zodia CustodyのCEOであるJulian Sawyer氏は、エミレーツNBDからの信頼に感謝の意を表し、今回の投資はZodia Custodyのグローバルな目標に向けた大きな前進であると強調しました。この投資は、ドバイを世界の4大金融ハブの一つとして、また、中東、アフリカ、南アジア地域における優先的な資本市場として位置づけることを目指す「ドバイ経済アジェンダD33」にも沿ったものです。